『飛行機に乗ると、着陸のたびに耳がキーンと痛くなる』『エンジン音がうるさくて機内では眠れない』——こんな経験はありませんか?
飛行機での耳の悩みは大きく3種類あります。気圧変化による耳の詰まり・痛み、エンジンや空調の騒音による疲弊、そして長時間フライトでの睡眠不足。これら3つに対して「一般的な耳栓」と「気圧調整機能付き耳栓」では、役割がまったく異なります。
この記事では、機内での耳のトラブルを種類別に整理し、それぞれに合った耳栓の選び方と、僕が実際に国内線・国際線で試した5製品を紹介します。
飛行機で耳が痛くなる理由と、耳栓が効く・効かない場面
耳栓を選ぶ前に、「何の問題を解決したいのか」を整理することが重要です。飛行機での耳の悩みは、原因が違えば必要な製品も違います。
問題1:離着陸時の耳の詰まり・痛み(気圧変化)
離陸・着陸のときに耳がキーンとなる、あるいは痛みが走る体験。これは気圧変化が原因です。飛行機の客室内気圧は地上より低い状態(通常、標高1,800〜2,400m相当)に維持されており、着陸時に地上に戻る際の急激な気圧上昇が鼓膜に圧力差を生みます。
この問題に対して、一般的なフォーム型耳栓はほとんど効きません。耳孔を塞ぐだけでは、外耳と中耳の圧力差を緩和することはできないからです。
気圧変化による耳の痛みには、気圧調整フィルター付き耳栓が必要です。フィルターが気圧の変化をゆっくりと均等化することで、鼓膜にかかる急激な圧力差を和らげる仕組みです。
ただし注意点があります。気圧調整フィルター付き耳栓は「気圧変化の痛みをゼロにする」製品ではなく、「痛みを軽減しやすくする」補助グッズです。重度の耳管機能障害がある場合は医師への相談をおすすめします。
問題2:エンジン・空調騒音(継続する低周波ノイズ)
飛行機のエンジン音は60〜80dB程度で、長時間さらされると聴覚疲弊の原因になります。「機内では眠れない」「頭が痛くなる」「降機後も耳が疲れた感覚が続く」という人は、このタイプの悩みが中心です。
この問題には遮音性の高い耳栓が有効です。フォーム型耳栓のNRR33dBクラスは特に効果的で、エンジンの低周波ノイズを大幅に減衰させます。気圧調整フィルター付きのシリコン型(SNR17〜26dB)でも、エンジン騒音に対しては十分な遮音効果を持ちます。
問題3:機内での睡眠(長距離フライト)
夜行便や長距離国際線で「機内で眠りたい」場合、遮音性と装着快適さの両方が求められます。シートに座ったまま仮眠する姿勢では、頭が左右に傾くことが多く、耳への圧迫が生じやすいです。このシーンでは長時間装着でも痛くならない素材と形状が重要です。
飛行機用耳栓の選び方:3つの軸
軸1:気圧調整フィルターの有無
耳が詰まりやすい・着陸時に痛みが出やすいという人は、気圧調整フィルター付きモデルを選んでください。Loop Switch や Loop Experience Plus のように、フィルター構造が気圧変化を段階的に処理するタイプが該当します。
一方、主な悩みが「騒音」や「機内での睡眠」であれば、フォーム型の高遮音モデルで対応できます。
軸2:遮音性の数値(SNR/NRR)
- SNR 17〜26dB(シリコン型フィルター):エンジン騒音の軽減と会話の確保を両立
- NRR 29〜33dB(フォーム型):最大遮音、機内での睡眠に向く
気圧変化の問題を重視するなら SNR 17〜26dB のフィルター型、騒音・睡眠を重視するなら NRR 29〜33dB のフォーム型、という選び分けになります。
軸3:装着時間と快適さ
国内線の1〜2時間なら素材の差は小さいですが、10時間を超える国際線では耳孔への圧迫が蓄積します。フォーム型は膨張圧力が長時間続くため、耳孔の形によっては3〜4時間で違和感が出ることがあります。シリコン型はひねって固定する方式で圧迫感が少なく、長時間フライトに向いています。
飛行機用耳栓おすすめ5選
1. Loop Switch 2 — 気圧対応×3モード切り替え
Loop Switch 2 は、ダイヤルを回すだけで Quiet・Engage・Experience の3モードに切り替えられるシリコン型耳栓です。SNR 値は 20〜26dB(モード依存)で、フィルター構造が気圧変化を段階的に処理する仕組みを持っています。
飛行機での使い方として、離着陸時は Quiet モードで気圧変化と騒音を最大限カット、巡航中は Engage モードでアナウンスを聞きながら騒音だけ落とす、機内エンタメを楽しむ場面では Experience モードに切り替える——という使い分けができます。
1本で飛行機の3つのシーンをカバーできるのが最大の強みです。「気圧による耳の痛みを防ぎつつ、機内でアナウンスも聞きたい」という人に最も合っています。
向いている人: 国際線長距離フライト、気圧変化+騒音の両方が気になる人、複数の耳栓を持ち歩きたくない人
注意点: ダイヤルの突起が座席に背もたれしたとき圧迫を感じることがあります。搭乗前にダイヤルの向きを調整しておくと軽減できます。
2. Loop Experience Plus — 音楽を聴きながら聴覚を守る
SNR 17dB のハイファイフィルター耳栓です。音質を保ちながら音量を下げる設計で、機内エンタメのヘッドホンと併用するのではなく、「耳を保護しながら機内の音環境に対応したい」という用途に向いています。
気圧調整フィルターを内蔵しており、着陸時の耳の詰まりを和らげる効果が期待できます。SNR 17dB はシリコン型としてはやや遮音性が低めですが、スタッフとの会話や機内アナウンスを自然に聞き取りながら使えるのが特徴です。
フェスやコンサート用として開発されたモデルですが、飛行機での聴覚保護という用途でも実用的です。「音楽フェス後の耳鳴りに悩んでいた」という人が機内でも同じ感覚で使えます。
向いている人: 機内で音楽を楽しみながら耳を守りたい人、アナウンスを聞き逃したくない人、ライブ・フェス兼用で1本使いたい人
注意点: 遮音性はループ3モデルの中で最も低いです。エンジン騒音をしっかり遮りたい場面には物足りなさがあります。
3. Alpine SleepDeep — 長距離フライトの睡眠に特化
SNR 27dB の睡眠専用設計のシリコン系耳栓です。AlpineThermoShape 素材が体温で耳の形にフィットし、長時間装着でも痛くなりにくい点が最大の特徴です。内部の吸音ジェルが振動系の騒音(エンジンの低周波)を特に効果的に減衰させます。
飛行機の機内環境は、エンジンの低周波ノイズが持続するため、振動系ノイズへの対策が長距離フライトでは重要です。Alpine SleepDeep の吸音ジェル構造はこの環境に合っています。
機内での睡眠を最優先したい場合、選択肢の筆頭になります。フォーム型より遮音性は低いですが、10時間を超える装着でも耳孔への圧迫が蓄積しにくい素材です。気圧調整フィルターは内蔵されていないため、気圧による耳の痛みが強い人は Loop Switch との組み合わせを検討してください。
向いている人: 機内で寝ることが最優先の人、長距離国際線フライト、横向きで寝るような姿勢でも使いたい人
注意点: 気圧調整フィルターはないため、着陸時の耳の詰まりへの対処は別途必要です。
4. Moldex Meteors — 高遮音×コスパのフォーム型
NRR 33dB のフォーム型耳栓です。遮音性の絶対値でいえば今回紹介する5製品の中でも最高水準です。気圧調整フィルターはありませんが、騒音の遮断力では群を抜きます。
機内エンタメも会話も不要、とにかく「静かに眠りたい」という人には、シリコン型よりも単純なフォーム型の方が向いていることもあります。使い捨てなので衛生面での管理も不要です。
ただし、長時間装着すると膨張圧力が耳孔に蓄積します。国内線1〜2時間なら問題ありませんが、10時間を超えるフライトでは途中で装着感が変わってくることがあります。飛行機での使用には「機内食の時間に外す」「3〜4時間おきに一度外して耳を休ませる」という運用が現実的です。
向いている人: とにかく静かにしたい人、コスト重視の人、短時間フライトや国内線メイン
注意点: 気圧変化への対応なし。長時間装着で圧迫感が出やすいです。
5. 3M EAR Classic — 米軍実績の定番フォーム型
NRR 29dB の定番フォーム型耳栓です。米軍で30年以上の使用実績があり、信頼性と入手しやすさが強みです。遮音性は Moldex Meteors より少し低いですが、耳奥まで深く入れなくても遮音効果を発揮する形状が特徴です。
旅行中のトラブルや急な長時間フライトに備えてカバンに忍ばせておく「保険の1本」として、コンパクトで手頃な選択肢になります。気圧調整機能はないため、耳の痛みを防ぐ目的ではなく、騒音対策として使ってください。
向いている人: 普段使いの保険として持っておきたい人、国内線の短距離フライト、コスト最優先
注意点: 気圧変化への対応なし。フォーム型のため長時間装着では圧迫感が出やすいです。
比較表:5製品を4軸で並べる
| 商品名 | 価格・購入 | 気圧調整 | 遮音性 | 長時間快適性 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| Loop Switch 2 | ¥9,440Amazonで見る → |
あり(フィルター) | SNR 20〜26dB | 高(シリコン型) | 気圧変化+騒音+全シーン対応 |
| Loop Experience Plus | ¥5,290Amazonで見る → |
あり(フィルター) | SNR 17dB | 高(シリコン型) | 音楽・会話しながら聴覚保護 |
| Alpine SleepDeep | ¥4,677Amazonで見る → |
なし | SNR 27dB | 高(ThermoShape素材) | 機内睡眠特化 |
| Moldex Meteors | ¥580Amazonで見る → |
なし | NRR 33dB | 中(フォーム膨張) | 最高遮音・短時間フライト |
| 3M EAR Classic | ¥750Amazonで見る → |
なし | NRR 29dB | 中(フォーム膨張) | 保険の1本・コスト優先 |
シーン別おすすめ早見表
着陸のたびに耳が痛くなる人: Loop Switch 2 または Loop Experience Plus(気圧調整フィルターあり)
機内でとにかく静かに眠りたい人: Moldex Meteors(短距離) / Alpine SleepDeep(長距離)
アナウンスや会話も聞きながら耳を守りたい人: Loop Experience Plus または Loop Switch 2 の Engage モード
コスト重視で保険として1本用意したい人: 3M EAR Classic
国際線で気圧変化・騒音・睡眠の全部を1本でカバーしたい人: Loop Switch 2(3モード対応)
気圧調整フィルター耳栓を使うときの3つの注意点
1. 装着は離陸前の地上にいる段階で
機内に乗り込んだあと、ドアが閉まってエンジンが始動するタイミングまでには装着を完了させておくことをおすすめします。気圧が変化し始めてから装着すると、外耳道が変動した状態でフィルターを挿入することになるため、初動の効果が落ちることがあります。
2. 耳が詰まったまま引っ張って外さない
着陸後、耳が詰まった状態のまま耳栓を引っ張って外すと、圧力差で耳に不快感が残ることがあります。一度スワローイング(飲み込む動作)や軽い顎の動きで耳抜きをしてから取り外すとスムーズです。
3. サイズ選びは地上で事前確認を
フィルター型耳栓の効果は、サイズが合っているかどうかに大きく左右されます。Loop Switch や Experience Plus は XS/S/M/L の4サイズが付属しているので、旅行前に自分の耳に合うサイズを確認しておくと安心です。
よくある質問
Q. 飛行機の耳の痛みに「普通のフォーム耳栓」は効きますか?
耳の詰まりや痛みが「気圧変化」によるものであれば、フォーム型耳栓では効果は期待できません。フォーム型はあくまで「音を遮断する」製品で、外耳と中耳の気圧差を均等化する機能はありません。着陸時の耳の痛みに対処したい場合は、気圧調整フィルターを内蔵した Loop Switch や Loop Experience Plus を選んでください。
「騒音がうるさいだけ」という悩みであれば、フォーム型でも十分対応できます。
Q. 気圧調整フィルター付き耳栓を使えば耳の痛みはゼロになりますか?
耳の痛みをゼロにする保証はありません。気圧調整フィルターは「急激な圧力変化を緩やかにする」補助グッズです。耳管機能が正常な人であれば痛みが軽減されやすいですが、風邪や鼻炎などで耳管の通りが悪くなっている状態では、フィルター付き耳栓だけでは対処しきれないことがあります。
繰り返し耳の痛みに悩む場合は、耳鼻科での相談も検討してください。
Q. 飛行機でフォーム型耳栓を10時間以上使っても問題ありませんか?
耳孔の形によっては、フォーム型耳栓の膨張圧力が長時間蓄積して不快感や軽い痛みが出ることがあります。機内食のタイミングなどで一度外して耳を休ませる運用が現実的です。長時間フライトで睡眠中もつけ続けたい場合は、Alpine SleepDeep のような体温でフィットするシリコン系か、Loop Switch の Quiet モードの方が快適に使えます。
まとめ:飛行機の耳の悩みは「原因」で選ぶ耳栓が変わる
飛行機での耳のトラブルは、「気圧変化」「騒音」「長時間睡眠」という3つの問題が混在しています。それぞれに有効な耳栓が違うため、まず「自分は何に困っているのか」を明確にすることが選び方の出発点です。
気圧変化による耳の痛みがメインなら Loop Switch 2 か Loop Experience Plus、騒音を徹底遮断したいならフォーム型の Moldex Meteors、長距離フライトの睡眠を快適にしたいなら Alpine SleepDeep、というのが僕の体感に基づく整理です。
複数の悩みを1本でカバーしたいなら、Loop Switch 2 が最も守備範囲が広いです。ただし、個人差があるので「自分に合うサイズと素材」を事前に確認しておくことが、旅行当日に後悔しないための最短ルートだと思います。




